こども食堂が話題になっている。
経済的困難な家庭環境において、こどもの孤食化だったり、栄養の偏りに危機感を抱き、こどもに温かい食事や雰囲気を提供することを目的として、無料又は低価格でこどもやその親に食事を提供したり、交流スペースを設ける取り組みをいう。
その意義としては、子育て環境の改善(福祉的側面)だったり、地域全体の活性化(地域コミュニティ的側面)などが挙げられるけども、そういった取り組みについて実は自分の地域で何が行われているのか全然知らなかったりする。もっといえば、このような取り組みの受益者であるこどもやその保護者に、情報が届いておらず、本質的な支援につながっていないケースも少なくない。
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ねりまこども食堂 |
私は昨年、地域コミュニティ創造委員会という委員会を担当させていただいた。いくつかの取り組みの中で、OMOIYARI VILLAGEという、市内の飲食店さんの協力を得て、市内の中学生に屋台村を運営してもらう企画をした。昨年で8回目の実施だった。
この取り組みの本丸は、中学生の心におもいやりを根付かせることにあるのだけども、その準備期間に中学生と何度も交流する。その間に、中学生のリアルな状況と言うものを見聞きすることができる。
ある時、こんな声を聞いた。
「将来は仕事で20万くらい稼ぎたい」
大変なことだと思った。
この子の未来には20万円をもらうことが夢のように映っているのだと。
これは、私たち大人の責任だと思う。親がどうとか、学校がどうとか、そんなことを言う話ではなく、そういう状況に一人でも陥ってしまうまちにしてはならない。すごく痛感した。
来月、茅ヶ崎JCでは貧困をテーマに講演会を開催する。
かなり重く、かなりデリケートなテーマだけど、絶対に無視してはならない内容だと思っている。
貧困というカテゴライズをしなければならないほどに、大変な問題。貧困にも様々な側面があり、経済的な貧困を意味することもあれば、人との関わりにおける貧困も課題に挙げられる。
冒頭でこども食堂について紹介をしたけども、あれはまさにこの課題に、小さくとも大切な風穴を開ける一歩となる取り組みだ。まずは機会を創る。そこで、出会いがあり、もしかしたら一生を左右するほどのきっかけを掴むかもしれない。
僕は、ほとんどの課題は、適切な人に出会えれば解決すると考えている。
その場で解決せずとも、大きな一歩を踏み出すきっかけをくれる人は必ずどこかにいる。
ところが、貧困という課題は、当人が外に出てこなくなることが一番怖い。その解決のチャンスを根こそぎ潰してしまうからだ。
だから、貧困について、当事者ではない人たちが勉強して、実情を共有する必要がある。それは、もっとも身近に住む地域単位で取り組まないとカバーできない問題。
学生であっても、日中東京に働きに行く人であっても、シニアであっても、男女関係なく、国籍関係なく対象となるテーマ。
是非一緒に考えたいと思う。一緒に考えられるほど、担当委員会は現在、内容に吟味を重ね、準備を進めている。
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