デジタル・ナレッジのClica |
私たちの団体では、実に多くの講演会やパネルディスカッションを対外向け・対内向けを問わずに実施します。いずれの手法であっても、「より効果的に聴講者に響くように」という視点で事業を企画するわけですが、どうしても一方的になりがちです。
つまり、講演をする立場と、聴講者として聴く立場とに分断されてしまって、双方向性のある事業を作るのが難しいのです。
これにはどんな問題があるかというと、一方的な発信というのは、聴く側にとっては余程の興味がない限り、聞きながら自分の頭であまり考えないため、十分にその趣旨を落とし込むことに限界があるということです。
だから、企画する時にはいかにして双方向にするかがネックとなります。
一つの手法として、アンケートが考えられます。アンケートは設問形式のため、その都度自分の頭で考えることができます。しかし、アンケートは所詮アンケート。回答の義務があるわけではありません。協力してくれるとしても、深く考えられるかどうかは、その人の人柄だったり立場だったり、アンケート協力を求める人(会社)との人間関係だったりするところが大きいでしょう。
別の手法として、聴講者に質問を投げかけて、回答させるというものがあります。6月例会で青山重晴氏の講演会を開催しましたが、青山氏は講演でお話をされながら聴講者に質問を投げられてました。あの方法は、学校だったり大学などで私も経験がありますが、指名されるちょっとした緊張感(当てられたら何と答えよう?という緊張感)が、話に集中をさせ、結果的に聴講者に落とし込まれる情報が増える(深まる)という効果があります。ただし、当てられたくない人は、なるべく下を向いたり、後ろの方にこっそり隠れるため、そういう人たちに落とし込むのはなかなか難しいという課題もあります(そういう人に積極的に指名する教授がいたことを思い出されます。)。
そこで、長くなってしまいましたが今回ご紹介するデジタル・ナレッジのClicaというサービスです。
これは、簡単に言うと、講演中、パネルディスカッション中に会場に投げかけた質問に対して、聴講者が自分のスマートフォンで1番とか2番とか回答をして、それがリアルタイムに集計されてパソコンやPCに表示されるというものです。
Clicaのウェブサイトより転借 |
例えば、スライドを用意して、会場に質問を投げかけます。その質問に対して例えば会場に50名の聴講者がいるとすれば、その質問への回答結果が前方のスクリーンに表示されることになります。1番とか2番とか選択するだけでなく、例えばコメントを入力するなどもできるため、リアルな会場の中で、オンラインで双方向性を実現し、しかも回答を集計できるためわかりやすく講演等を進めることができるのです。
この仕組みは、名指しで回答を指名されるわけではないので、指名されるのが嫌な人にとっても安心なのと、回答するのが気軽なため、自分の頭で考えてもらうための双方向性の実現についてハードルが引き下がることになり、実に有効なものだと思うのです。
サービスは無料とのこと。聴講者に使い方をきちんと説明できれば、とても効果的ですので、皆さんの事業の企画に検討してみてはいかがでしょうか?
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